やきものとしてのタイルの最大の魅力は、その風合いにあります。土あるいは石という素材が、火と出会うことで生まれる色彩、表情の妙、あるいはそれを創る人間の手の感覚といいかえてもいいでしょう。そういう意味で、素材感や質感、オリジナリティを大切にする現代建築にタイルが果たす役割は重大です。土を鍛え、釉薬を吟味し、火と語りながら創られていくやきものは、本来一つ一つが異なった個性を持っています。造形や色彩、肌合いなどにその個性をきわだたせることで、タイルは、空間をよりいっそう魅力的に演出することができるでしょう。建築家のイメージを反映し、さらに想像を超えて空間を彩ることができるはずです。クラフトタイルと呼ばれる一群のタイルは、まさにそうした意図から作られたものです。
須恵器に始まり、志野、織部、瀬戸など、日本を代表するやきものの美を生み出した美濃の伝統は、土の美しさと自由な造形を洗練されたデザインのもとに表現することを可能にしています。クラフトタイルを得た壁面は一個の作品として空間に豊かな表情を与えるのです。

新潟県南蒲原郡下田村
五十嵐川ダム擁壁修景

愛知県春日井市 三又公園
「フォーリー・柳と蛙」

白壁ふれあい広場(山口県)
角田建築設計事務所・山田工務店

成田スプリング(千葉県)


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